事例12

手の届かない難関校を志望

高校の説明会(見学会)に行った帰り道。手の届かない難関校であるが、長男(14歳)は志望している。いつも現実を見ない長男にイライラ。今まではお決まりの12の型(*1)となる言葉かけしかできていないが、このときは能動的な聞き方ができたような気がする。

  • 子:俺、やっぱりこの高校に行きたい
  • 私:(いつもなら、「行きたくても現実に高望み過ぎでしょ」と言ってしまっていたところ、)入りたいと思う高校なのね。
  • 子:うん、今日、見学してこの学校の生徒がとてもにぎやかだったんだよ
  • 私:(にぎやか?と思いつつ)楽しそうだったってこと?
  • 子:そう。この学校に入れたら、俺も楽しめそうな気がする
  • 私:そうなのね(いつもなら、どうしなさいと私のやり方をアドバイスしてしまう。ここは、相づちだけで精一杯)
  • 子:学校とか塾の先生にどうしたら入れるか、聞いてみるよ
  • 私:そうだね。いいね。

*1 【お決まりの12の型】とは・・・

相手が問題を持つ(悩んだり困ったりしている)とき、人がよくやりがちな対応が12のパターンであること。

相手のためと思っても、相手が自分自身で問題(悩み)を解決する機会を奪ってしまうことがある。

①命令 ②脅迫 ③説教 ④講義 ⑤提案 ⑥非難 ⑦侮辱 ⑧解釈 ⑨同意・賞賛 ⑩同情・激励 ⑪尋問・質問 ⑫ごまかす 


【感想】

 子どもが問題を持っていることも私の問題として捉えてしまったり、お決まりの12の型を言ってしまったり、会話にすらならない関係性が続いていたが、『これは、子どもの問題』と自分から切り離して考え、せめて、お決まりの12の型を言わないように心掛けるようにした。すると、いつのなら私がアドバイスしてしまうところ、子どもが自分で考え答えを出した。

 

HRN2021冬号より

 

「能動的な聞き方」へ戻る→☆

 

「わたしメッセージ」の事例→☆