娘(さおり14歳)が所属する剣道部3年生の引退試合を見に行ったときのこと。試合後、突然、次の部長を決める話し合いがあり、先輩たちは娘を部長に推薦してくれた。その帰り道、娘は方を落とし顔をゆがめ、今にも泣き出しそう・・・。
- 子:えー、どうしよう。このままだと私が部長になっちゃうよね?イヤなんだけど・・。
- 私:さおりは、部長に推薦されて、なるのがイヤなんだね。
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子:うん。えー、無理だよ。えー、どうしよう。また寝れないんだけど。せっかく今日は寝れると思ったのに。えー、部長って何やるんだろう。
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私:さおりは、部長をやるのが不安なんだね。部長って何やるかも知らないんだね。
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子:うん。そうだよ。それ自体がまず不安なのかも。大勢の人の前で話すとかが、絶対に無理なんだけど。人に教えたり、まとめたりはまだいいんだけど、全校の前で話すとかが無理なのかも。
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私:そっか。まず、部長の仕事が何やるのかが分からないのが不安で、もし、やったとしたら人前で話すことがあるのがイヤなんだね。
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子:うん。そうだよ。そうだよね。今の部長にどんな仕事をやるのか聞いてみよー。それで、どれくらい全校の前で話すことがあるのか聞いてみようかな。考えてみたら、年に何回かしかないかもしれない。しかも1年生を迎える会とか5人くらいで出てたから、みんなに言えば、一緒に出てくれたり、話してくれたりするかもしれない。
【感想】
今までなら、私の意見として「せっかくのチャンスだから、やってみたら?」などと言っていたかもしれません。が、能動的な聞き方を意識してみると、娘が何に不安を感じているかなど、次々に本心が出てくるので、すごいなと思いました。また、娘が自分自身でどうしたらいいかを考えていったので、驚きました。
HRN2022春号より
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